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院長インタビュー
平成28年10月6日、吹田市昭和町に誕生した「つばき内科クリニック」。開業以来、患者さんの声に耳を傾けながら、地域の“かかりつけ医”として歩んできた山本院長に、診療に込めた想いや地域とのつながりについて、お話をお伺いしました。

医師を志したきっかけと
循環器との出会い

医師を目指したきっかけを
教えてください。
医師という仕事は、子どものころからとても身近な存在でした。両親がそろって医師だったこともあり、白衣を着て出かける姿や、帰宅後も患者さんのことを話す声を聞くうちに、自然と「人の役に立つ仕事」というイメージが自分の中に育っていきました。
学生の頃に本格的に進路を考えるようになったとき、「病気を治すこと」そのものだけでなく、「その人がどんなふうに生活をしているのか」「どんな悩みがあるのか」までを一緒に考えていく医療に興味を持ちました。そうした広がりのある診療ができるのが内科であり、将来は地域に根ざした形で患者さんの生活に寄り添えるような医療をしたい、と思うようになりました。
なかでも循環器内科を選んだのは、息切れやむくみ、動悸などの症状が「何となく調子が悪い」というレベルから、命にかかわる状態まで幅広く関わっている分野だからです。適切な検査や治療を行うことで、体のつらさがはっきりと軽くなるのを目の当たりにできる場面が多く、「ここまで回復するんだ」と自分でも驚いたことを今でも覚えています。
勤務医時代には、心筋梗塞などの急な発作への初期対応から、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病とじっくり向き合う長期の診療まで、幅広い経験を積むことができました。その中で、医療の技術だけでなく、患者さんの気持ちや生活スタイルにどう寄り添えるかが治療のカギになると実感するようになりました。
「症状が落ち着いても、心配だからちょっと話したい」
「何科にかかるべきか分からない」
そんな声を受け止められる場所として、地域で安心して通えるクリニックを開きたい。そう考えるようなったことが、現在のつばき内科クリニックの出発点です。

クリニックで
大切にしていること

日々の診療で大切にして
いることは何ですか?
診察室で向き合っているのは、病気そのものだけではなく「その人の暮らし」です。だからこそ私は、話を聞く時間を何より大事にしています。
たとえば同じ「咳が続く」という症状でも、年齢や生活スタイル、持病の有無によって背景はまったく違います。お話を丁寧に聞くことで、「実はこんなことも気になっていた」「家族にも同じような症状がある」など、最初は出てこなかった情報が見えてくることがよくあります。
私自身、これまでたくさんの患者さんと関わってきましたが、「聞いてもらえた」と感じたときに、人は初めて安心するのだと思います。だから、問診・診察・検査といった医療の流れの中でも、気持ちを置き去りにしないよう心がけています。
また、検査や薬については「これはやる必要があるのか?」「やらなくても大丈夫なものは何か?」を明確にして、理由も必ずお伝えします。たとえ時間がかかっても、「なんとなくそうなった」ではなく「納得して選べた」と思ってもらえるようにしたいのです。
診察の最後には、患者さんご自身の言葉で「今日はこういう内容だった」と整理できるように、小さなメモにまとめてお渡しすることもあります。人は不安なときほど、聞いたことを忘れてしまいがちです。ですから「安心して帰れる」という体験を、毎回の診療のゴールにしています。
地域のクリニックとして、診察はもちろん、相談のしやすさ・通いやすさ・質問のしやすさなども大切にしていきたい。病院というより“話せる場所”と思っていただけることが、私にとっていちばんの喜びです。

症状への向き合い方
と判断の軸

検査や治療の判断で大切にして
いることはありますか?
診療のなかでよく患者さんからいただく言葉に、「これって本当に必要なんですか?」というものがあります。私はこの質問がとても大切だと思っています。
医療には、正解が一つではない場面がたくさんあります。同じ症状でも、今すぐ調べたほうがいい場合もあれば、しばらく様子を見てよいこともあります。ですから私は、「何をして、何をしないか」をきちんと説明し、納得したうえで進めることを大切にしています。
たとえば、薬を増やすことで一時的に数値は良くなるかもしれません。でも、薬が多すぎることで体に負担がかかり、飲み間違いが起きてしまうこともあります。そういったリスクと効果を比べながら、「今のこの方にとって本当に必要な医療は何か?」を丁寧に考えています。
一方で、ためらわずにすぐ対応すべき症状もあります。たとえば、突然の胸の痛みや息切れ、顔の歪み、強い頭痛などは、重大な病気のサインである可能性があります。そうした場合はすぐに専門の医療機関にご紹介し、迅速に検査・治療を受けていただけるよう連携を取っています。
診療は、医師だけが進めるものではありません。患者さん自身が「なぜこの検査が必要なのか」「この薬でどう良くなるのか」を理解していることが、治療の効果をより高めてくれると感じています。
「必要なことはしっかり、不要なことはしない」――このシンプルな軸を持ちながら、日々の診療を行っています。迷ったときに、まず立ち止まって一緒に考えられる存在でありたいと思っています。

院内でできる検査と対応力

クリニックで受けられる検査や診療体制について教えてください。
「この症状、すぐに調べたほうがいいのか分からない」「とりあえず診てもらいたいけど、大きな病院に行くほどではないかも…」そんなふうに感じた経験はありませんか?
つばき内科クリニックでは、そういった“はじめの相談”がしやすいように、初診の段階でも必要な検査が受けられる体制を整えています。
たとえば、血液検査は主要な項目であれば院内でその日のうちに結果がわかります。貧血や炎症、糖尿病の指標などをすぐに確認しながら、その場で診断や説明に活かすことができます。
また、「息苦しい」「動悸がする」などの症状には、24時間心電図(ホルター心電図)という、小さな装置を体に装着して自宅で過ごしながら心拍の変化を記録する検査も対応しています。結果は後日、詳しくお伝えし、必要があれば循環器専門病院への紹介も行います。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる方には、在宅でできる簡易検査をご案内しています。眠っている間の呼吸状態を測定し、日中の眠気や集中力の低下などの原因を探ります。
そのほか、心電図・レントゲン・超音波(エコー)検査なども、症状に応じて当日すぐに対応可能です。これにより、複数の医療機関を行き来する負担を減らし、診断までの流れをできるだけシンプルにしています。
もちろん、クリニックですべてが完結するわけではありません。だからこそ「ここまで分かった」「ここから先はどこに相談すればいいか」をその日のうちに整理し、次の一手が見える状態でお帰りいただくことを大切にしています。
患者さんにとって、検査や診断が「こわいもの」ではなく、「安心につながるもの」になるよう、できるだけ不安を小さくできる工夫を重ねています。

病院との連携と
つながる医療

専門的な検査や治療が必要な場合は、
どのように対応していますか?
地域のクリニックとして日々診療していると、「これはクリニックで対応できること」「これはもっと詳しい検査が必要」という判断がとても重要になります。私たちは、決して無理にクリニックだけで完結させようとはしません。
たとえば、狭心症や不整脈が疑われる場合は、循環器専門の検査が可能な病院へご紹介しますし、脳に関わる症状であれば脳神経内科や脳外科など、必要な科へすぐに繋げる体制を取っています。
紹介状の作成だけでなく、希望があれば予約のサポートや、検査前後の説明の補足も行っています。大きな病院に紹介するときには、「ちゃんと伝わるかな」「またゼロから話さなきゃいけないのかな」といった不安を感じる方も多いため、当院でできる準備はしっかり整えたうえでご案内します。
また、病院での検査や治療が終わったあとも、「おつかれさまでした」で終わるのではなく、「じゃあ、これからどう過ごしていきましょうか?」と生活に落とし込んでいくフォローを大切にしています。
大病院とクリニックの役割は違います。大きな病院では高精度の検査や治療が受けられますが、時間をかけて相談したり、日常の変化にすぐ対応したりするのは難しい面もあります。
だからこそ、私たちクリニックは「大きな病院と日常をつなぐ窓口」のような存在でありたいと思っています。行き来しながら、安心して医療を受けられる。その道しるべを一緒につくっていくのが、私たちの役目です。
患者さんが「自分は今どこにいて、次にどこへ向かえばいいか」がちゃんとわかる。そんな“つながる医療”を、これからも地域で続けていきたいと思っています。

地域とのつながり
と取り組み

地域に向けた取り組みや活動に
ついて教えてください。
診療の時間だけが、医師と患者さんの関係ではないと思っています。だからこそ私は、地域の方々ともっと自然に関われる場所をつくりたいという思いから、クリニック内で小さな交流の場を設けています。
そのひとつが、吹田市と連携して開催している「認知症について学ぶ交流会(クリニック de カフェ)」です。堅苦しい講義ではなく、リラックスした雰囲気の中で、ご本人・ご家族・地域の介護関係者など、さまざまな立場の方が集まり、日々の困りごとや工夫をお話ししたり、一緒に手を動かしたり、時には歌をうたったりします。
「自分だけじゃなかった」「この話、誰にもできなかった」
そんな声が聞かれるたびに、この場が“医療”を越えた大切な支えになっていることを実感します。
医療や介護について、「誰に相談していいかわからない」「何から始めればいいのかわからない」という方は少なくありません。病院に行くにはちょっとハードルが高い…そんな方が、ふらっと立ち寄れる場所として、クリニックが“地域のよりみち”のような存在になれたらと思っています。
もちろん、こうした取り組みは診療の延長線上にあるものです。認知症のことだけでなく、普段の体調や生活についても気軽に話してもらえることで、早めの受診や予防にもつながっています。
最近では、通院が難しくなった患者さんのご自宅や入所先を訪問する機会も少しずつ増えてきました。訪問診療を専門的に行っているわけではありませんが、関係が続いている方への対応は、できる範囲で柔軟に行っています。通院から訪問へ、そしてまた通院へ――その人の変化に合わせて、医療の形も変えていく。そうした関係性を築けることが、地域医療の魅力でもあると感じています。
顔の見える関係性が、体調の変化にも気づきやすくなる。これからも、診察室の外でも役立てる医師でありたいと思っています。

受診のきっかけになる
サインとは?

どんなときに受診を考えた
ほうがいいのでしょうか?
「これくらいで病院に行っていいのかな…」
そんなふうに迷われる方は、本当にたくさんいらっしゃいます。特に内科では、症状があいまいなことも多く、「なんとなく変だな」「いつもと違う気がする」くらいでは、受診をためらってしまうことも少なくありません。
でも、実はそうした“なんとなく”の違和感こそが、大きな不調のはじまりだったりします。
たとえば、
- 息切れしやすくなった
- 胸に違和感がある
- 夜中に何度も目が覚める
- 食欲がない、疲れが取れない
- 咳が続いている
- 足がむくむ、だるさが抜けない
こうした症状は、循環器や呼吸器、代謝系の不調が隠れている可能性もあるため、気になった時点で一度相談していただくことをおすすめしています。
当院では、すぐに検査が必要な場合はその場でご案内しますし、経過を見ながら判断できる状態であれば「今はこうしておきましょう」「次はこの時期に来てください」と、一緒に方針を決めていきます。
また、「どこに相談したらいいかわからない」と感じたときの、“最初の相談場所”としても、クリニックを活用していただけたらと思っています。
専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関と連携を取り、必要に応じて紹介や予約のお手伝いも行います。逆に、大きな問題がなかった場合も、「とくに心配はいりませんよ」という一言で、ぐっと安心できることもありますよね。
「病院に行く」と考えるとハードルが高いかもしれませんが、「話を聞いてもらいに行く」「確認しに行く」と思ってもらえれば、もう少し気軽に足を運んでいただけるのではないかと思います。
“何かおかしい気がする”という感覚は、ご本人にしかわからない大切なサインです。
それを言葉にして受け止めるのが、私たちの役目だと思っています。

受診を考えている方へ

受診を検討している方に、
メッセージをお願いします。
つばき内科クリニックは、名前の通り「地域に根を張って、そっと寄り添う」ような存在でありたいと願って開院しました。
病気の診断や治療をするのはもちろんですが、それ以上に「この先生に聞いてみよう」「このクリニックなら相談しやすい」と思ってもらえる場所でありたいと、日々の診療に向き合っています。
私は、医療とは“体を治す”だけでなく、“安心して過ごせる時間を増やすこと”だと思っています。ちょっと気になる症状や、ふとした不安でも、ひとりで抱え込まずに話してもらえたらうれしいです。
また、当院では診療の質を保ちながら、なるべくスムーズに受診していただけるよう、ITシステムや院内の情報連携も整えています。電子カルテや検査機器が連携しており、結果もその場で一緒に確認しながら、わかりやすく説明できるようにしています。小さな工夫の積み重ねが、患者さんの安心と信頼につながると考えています。
今後も、医療の進歩とともにアップデートを続けながらも、大切にしているのは“人と人として向き合う姿勢”です。症状があるときも、ないときも、暮らしの中に「つばき内科クリニック」が自然に存在している。そんな関係を、地域の皆さまと築いていけたらと思っています。
体のこと、心のこと、暮らしのこと――
どんな小さなことでも、どうぞ気軽にご相談ください。
皆さまの健やかな毎日に、少しでもお役に立てれば幸いです。
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